お彼岸の週末ですね。
我が家は、先週墓参りに行ってきました。
帰りに、食事会をするのが恒例です。
今年は、ひさしぶりに親戚と出掛け、ゆっくり食事をしました。
今回は、そば懐石。
食前酒の後の付け出し
懐石料理店でアルバイトしていた学生時代
実は学生の頃、日本料理店でアルバイトをしていました。
着物を着て、畳のお部屋にお料理を運んでいたんです。
今は、ワンタッチの帯や、上下に分かれた簡易着物があるらしいですが、その時は本式の着物でした。帯も半幅でなく名古屋帯だったので、最初は大変!
でも慣れると着るのに10分かからなかったと思います。
トイレ掃除をしたり、階段を上り下りしたり、あと、何回も運ぶので、体力を使う。
トラックの助手席に乗り、葬儀場に出向きお弁当を出したりもしていたんです。
葬儀後の食事の際には、白い段の上に、お骨や香炉、ろうそく、線香などが並べるのですが、配置なんかも覚えていましたが、もう忘れてしまったな。
70代の上司は、自前の着物で出勤していて色々な織の着物がみられたし、先輩方が動いても着崩れしないコツなどを教えてくれました。
そのせいか、日本文化や着物に興味をもち、その後、海外にいっても集まりに着物をきたり、その時の知識がずいぶん役立ちました。
懐石?会席?
例えば会席料理と懐石料理の違いはご存じですか?
私はよく理解していませんでした。
本来、茶事でいただく軽めの料理のことを懐石料理と言っていたそうです。
よくわかる違いとしては懐石は最初にご飯と汁物が出され、会席は最後に出されます。
茶事での料理が懐石料理、お酒とともに料理店の宴席で出されるものが会席料理です。
懐石料理と会席料理では、料理をいただく順番も異なります。懐石料理では最初にご飯が出てきますが、会席料理でご飯が出てくるのは最後です。
今は、お酒と食事で、最後にご飯と汁物が出るパターンが多いので、「会席」と言えるのでしょうが、あいまいになっているのでしょう。
働いていた店も、今回のお店もメニューも、「懐石」でした。
「懐石」の本来の意味は?
懐(ふところ)を温める石から、「お腹を温める程度の軽い食事」を意味する禅語だそうです。
今ははお酒とおしゃべりを楽しみながらゆっくりいただくぜいたくな食事になっていて、本来の意味とはかけ離れていて不思議な感じがします。
懐石料理は、茶道の祖である千利休がはじめたとされ、本来は濃い抹茶を飲むまえに食べる料理のこと。和食の基本である「一汁三菜」のスタイルで、ごはんとお吸い物、3品のおかず、香の物で構成されます。三菜にあたるおかずは、なますと煮物、焼き物の3種です。
料理の内容
器も楽しめました。
食前酒の後の付け出し(上画像)
前菜
前菜は、季節の味が少しずつ楽しめて、お腹もすいているから食欲もあり、一番わくわくするお料理です。
お造り
お椀
マナーなんてそんなに気にしなくてもいい時代ですが、サーブする側としては、お椀のふたの扱いについては、ちょっと注目してしまいます。
ふたを外したら裏返しに右に置く。食べ終わったら元のようにふたをします。
そうなっていないと「このお料理をさげて次を出してもよいの?」「これ残したいの?まだ食べてるの?」と迷ってしまうからです。
裏返してふたをすると蓋の装飾をいためるおそれがあるのでNGで、絵柄がある場合はつながるようにそろえてしめると、より美しいです。
また汁がたれるような料理をいただく時にこのふたを使うとよいのですが、あいている手を受け皿にしていただくのは、NGだそうです。
炭火焼
お店の方が順番に焼いてくださいます。
この辺りで食べきれないと思ったので、足りなさそうな夫にシェア。
お魚料理
口直しの飲み物
小鉢料理
おそば
「そば懐石」でしたので、ご飯や香の物、お椀の代わりにおそばが出ました。
このおそばが売りだそうでたしかにおいしかったです。
デザートと濃い茶
会席料理の一般的な順番
1、つき出し(ささ付け・前菜)
2、碗盛(汁)
3、刺身(お造り)
4、焼き物
5、煮物
6、強肴(揚げ物・酢の物・茶碗蒸しなど)
7、ご飯と留め碗、香の物
終わりに
以上、懐石料理についてとお料理の内容でした。
外食をしても、「あまり長居しない」のに慣れてしまっていたようで、久しぶりにゆっくり日本料理を味わえた気がします。
お店も活気を取り戻しているようだし、コロナもおさまってくれることを願います。
お読みいただき、ありがとうございました。